「スペイン語の習得」についてお話します。

私はスペイン語を使って仕事をするレベルにまで到達しましたが、
どのようにしてスペイン語を習得したのか。

振り返ると、やはり留学していた時に一番成長しました。 
もちろん、今は毎日仕事で使っていますので、留学時よりも語彙は増えていますが、
「成長率」という点では、留学時には勝りません。

スペイン語を習得する最も効果的な方法、それは留学です。
将来スペイン語を使って仕事をするのであれば、スペイン語圏に留学しましょう。

「では、留学前には何も勉強しなくてよいのか」と言ったら、
そうではなく、ちゃんと素地を作らなければ、留学しても効果はありません。
スペイン語の素地があってこそ、現地での飲みこみが早くなるのです。

教科書選びも注意が必要です。なるべく学習効果の高いものを使用しましょう。
自分のレベルに合わせた教科書を選ぶのが一番です。入門者がいきなりリーディングのテキストから入って翻訳しても学習効果は低いのはお分かりいただけると思います。それでは、レベル別に、推薦教材をご紹介します。

【初学者向け】(全くスペイン語を勉強したことがない方) 

ゼロから始める書き込み式スペイン語BOOK オールラウンド
初学者にとって大切なことは、「スペイン語を好きになること」です。最初から難しい教科書に手を付けると、スペイン語が嫌いになってしまい、留学の夢が途中で潰えてしまいます。
また、最初は「文法」「表現」「会話」「ライティング」などの特定の分野のテキストではなく、広範囲を学習できるものがよいです。
そういった点で、この教科書は入門者にお勧めできます。テキストの特徴は「書き込み式」であること。また、CDも付いています。初学者にとって大事な「書く」と「聴く」の両方を学ぶことができます。

キクタン スペイン語【入門編】  単語
単語学習も同時並行で進めていく必要があります。とにかくたくさん書いて、声に出して読んでください。
本書は約500語収録されているので、全ての単語を丸暗記するつもりで臨んでください。一日20単語覚えれば、約1ヶ月で初学者を卒業できます。

※初学者の方は辞書を買わないでください。最初から辞書をひくと、やる気がそがれます。
まずは、上記テキストと単語帳を完璧にすることを優先してください。


【初級者向け】(スペイン語学習経験1年目~2年目の方) 

やさしいスペイン語文法  文法
スペイン語の全体像が見えてきたら、文法をしっかりマスターしましょう。
「会話」や「ライティング」の技能は留学中に嫌でも鍛えられます。しかし、「文法」は日本でしっかり勉強していった方がいいです。もちろん、現地の語学学校や語学クラス(交換留学等の場合)でも文法を教えられますが、スペイン語で説明を聞いて理解するのは難しく、中級レベル以上でないと学習効果はありません。
したがって、文法の基本的なところは日本で勉強しましょう。

今すぐ話せるスペイン語単語集 (東進ブックス)  単語
2冊目の単語帳です。1,600語とボリュームが多いですが、どんどん語彙を増やしていくことでスペイン語力が飛躍的に伸びます。また、現地での会話は語彙力勝負です。私もこの単語帳を使っていましたが、使い方としては、①全部目を通す、②CDを聴きながらもう一度目を通す、③声に出しながら書きまくる(例文も)、です。

CASIO Ex-word 電子辞書 スペイン語モデル XD-D7500  辞書
この段階で電子辞書は必須になります。よく「電子辞書より紙の辞書の方がいい。周りの単語も云々」という人がいますが、無視しましょう。初級者にとって大事なことは数をこなすこと。紙の辞書を使っていたら学習効果は半減。分からない単語があったら電子辞書でどんどん引いていきましょう。紙の辞書を使うのは中級者以上です(中級者になれば、電子辞書と紙の辞書を併用し、場合に応じて使い分けます)。
この電子辞書のよいところは、小学館と白水社の辞書が入っている点です。また、(初級者の段階では不要ですが)西英辞典とビジネス用語辞典も付いているので、仕事でも重宝します。


【中級者向け】(スペイン語学習経験3年以上、留学直前の方向け) 

スペイン語作文の方法 構文編  文法 ライティング
下記の「表現編」と併せて、「最も使える教科書」です。スペイン語学習者からの評価が高いテキストです。私もこの2冊のおかげでスペイン語力がかなり伸びました。留学準備のためにも効果的な一冊です。
1ページにつき1構文で、問題文(和文)+解説+解答例(西文)+練習問題3題という構成になっており、とても使いやすいです。全部で165構文あるのですが、全部こなせばかなりのライティングスキルが身に付きます。将来的に翻訳の仕事を目指している方には特にオススメです。

スペイン語作文の方法 表現編  ライティング
上記の「構文編」では文法に主眼が置かれていましたが、こちらは適切な単語を選定するということを重視しています。日本でこのようなことを学べるテキストはほとんどありませんので、ぜひ使ってマスターしましょう。

スペイン語会話 クイックレファレンス  会話
かなり詳しい会話表現集です。一つの表現について、数通りの回答が用意されているため、留学中は必携の書になります。文法的な説明は一切ないので、中級者向けです。留学中スムーズに会話ができるよう、ぜひ手に入れたい一冊です。
特徴としては、かなり例文が多いこと。また、普通の教科書であれば、1つの表現につき、1個の例文しか掲載していませんが、この教科書では何通りもの組み合わせを紹介しているので、応用が効きます。また、同じ表現でも微妙なニュアンスの違いを和訳で説明してあるので分かりやすいです。また平俗表現と丁寧表現には印がついており、実際の会話でどの表現を使ったらいいかの判断に便利です。
また、第2部では会話のスクリプトと和訳がついており、CDを使って会話の練習ができるようになっています。

暮らしのスペイン語単語8000  単語
8,000語収録の強力な武器です。3冊目の単語帳となりますが、最後の単語帳にしていいです。これを卒業した後は、辞書を使った学習になります。
本書には留学中に必要な単語が数多く収録されており、これをマスターすれば、生活上は苦労することがないです。留学中ではなく、留学前にマスターしていきましょう。

Viajeros―東京大学スペイン語教材  リーディング
「中級者向け」といっても、留学前の方は難しく感じるかもしれません。しかし、交換留学や正規入学される方にとって大事なスキルは「リーディング」です。このレベルのスペイン語をスラスラ読めるレベルでないと、現地に行ってからとても苦労します。このテキストがスラスラ読めることを目標に頑張って学習を進めてください。
文章自体は真面目な内容ですが、留学先の大学で課される宿題はもっと難しい文章なので、この程度の読解はできるようにしておかなければなりません。


【上級者向け】(留学経験者、ビジネスでスペイン語を使いたい方) 

中級スペイン文法  文法
「中級スペイン文法」というタイトルですが、内容は上級者向けです(笑)日本に存在する文法書の中では一番詳しいです。残念ながら、日本ではまだスペイン語学習者が少ないためか、上級者向けのテキストは数少ないです。英語のように学習者の裾野が広がれば、上級者向けのテキストもどんどん出版されるようになるのかもしれません。
ただし、この中級スペイン文法はかなり使えます。翻訳時に迷った時に開くのはこの書籍です。分厚さもバイブル並みなので、1家に1冊買っておきたいところ。ただし、重いので電車で勉強する人には向いていません。

※この段階に来ると、「おすすめ」という本はほとんどありません。スペイン語を自由に操れるレベルになっているので、スペイン語の原書やニュース記事を読みあさってもよいですし、音楽を聴いて勉強してもよいと思います。私も現在ビジネスでスペイン語を使用していますが、「これ!」という一冊が見つかりましたら紹介していきたいと思います。


【スペイン語資格試験対策~西検・DELE・通訳案内士~】
スペイン語学習が進んで来たら資格取得に挑戦してみましょう。資格取得の勉強方法については以下の記事を参考にしてください。
DELE対策
通訳案内士試験(スペイン語通訳ガイド)対策
スペイン語技能検定(スペイン語検定、西検)対策
スペイン語のオススメ電子辞書
スペイン語の辞書一覧
 

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