そろそろ就職活動で忙しくなってくる時期ですね。来週から内々定が出始める人も多いと思います。
今日は、私の経験を交えて、就職活動についてお話したいと思います。 私は既に「おっさん」ですので、みなさんの状況とは若干異なるかもしれませんが、参考になれば幸いです。
※転職については、「スペイン語を活かした仕事への転職」の記事を参考にしてみてください。

さて、表題の「スペイン語を活かした仕事」についてですが、年々スペイン語を活かした仕事は増えています。
スペイン語を活かした仕事には、企業の国際部門の他、公務員(外務省など地方自治体の国際協力課など)、通訳、翻訳、研究者などさまざまです。今回は「企業に就職する場合」についてアドバイスしていきたいと思います。

昨今の円高により(ちょっと戻ってきていますが、まだ円高です)、日本企業は海外に設備投資を始めています。また、コスト削減が必達であるため、生産拠点をどんどん海外に移しています。それにより、日本の国内産業は空洞化している状況です。主な進出先はタイやベトナムといった東南アジアが多いです。これからはアジアの時代ですね。

しかし、メーカー(自動車業界など)を中心に、中南米に進出する企業も増えています。特に最近は、メキシコに注目が集まっています。メキシコを生産拠点にすれば、北米や中南米を市場として販売していけるからです。その他、アルゼンチンやチリに進出している企業も数多くあります。 これからは、スペイン語が話せる人材の需要は高まってくると思います。したがって、スペイン語を勉強していくことは、キャリアアップのためにとても重要です。


それでは、どのようにすれば「スペイン語を活かした仕事」に就職できるのでしょうか。
まず、
・日本企業でスペイン語を使いたいのか
・スペイン語圏の企業でスペイン語を使いたいのか 

を選択する必要があります。 

まずは「日本企業に就職」する場合についてアドバイスしていきます(※私は文系なので、理系のことはあまり分かりません)。
スペイン語圏への留学を検討している段階へのアドバイスですが、「新卒」というカードは大切にしましょう。特に、4年制大学の「学部卒」という新卒カードです。
残念ながら、日本企業は未だに「終身雇用」と「年功序列」を基本とした雇用システムを維持しているため、新卒採用がメインです。新卒の機会を逸してしまうと、就職できる可能性が極端に低くなります。ゼロではありませんが、かなり厳しくなるのは事実です。

したがって、「日本企業に就職」したいのであれば、新卒で就職するというルールからはみ出さないようにした方がよいです。卒業後に語学留学してから就職活動・・・というのはかなり危険な選択と言えます。特に、大企業(一部上場企業)に就職したいのであれば、新卒カードは大切にしましょう。

大学院に進学を検討されている方も、日本企業に就職したいのであれば、進学を避けた方が無難です。というのも、文系院卒で大企業に就職するのはかなり難しいです。就職四季報で確認すれば分かりますが、文系院卒の採用数は、ほとんどの企業でゼロか一桁です。もちろん、可能性はゼロではありません。しかし、もしスペイン語圏の大学院に進学して、(研究者になるのではなく)日本企業に就職したいのであれば、相当の努力(アメリカやイギリスの有名大学院に留学している人たちに就職活動で勝ちうるだけの能力を身につける)が必要です。

また、就職活動でスペイン語能力をアピールすることは大事ですが、「スペイン語だけしかできない」と思われないように注意しましょう。「スペイン語を活かした仕事」は数多くありますが、企業に過度な期待を寄せるのはやめましょう。日本企業のほとんどはローテーションを前提としており、様々な仕事を経験させることで社員を成長させます。スペイン語圏に進出する企業が増えたといっても、あなたが必ずしも希望の部署に配属されるとは限りません。 就職活動で「絶対スペイン語を使える部署でなければいやだ」と言ってしまうと、なかなか内定はもらえます。
私も日本企業で新卒採用の仕事をしたことがありますが、企業が新卒の学生に求める能力は、(残念ながら)語学力ではありません。「どんな仕事でもそつなくこなせそうな雰囲気」「コミュニケーション能力(笑)」が最も大事な能力です。スペイン語だけできる人材を大企業は求めていません。企業は時代のニーズに応じて変化を続けなければなりません。スペイン語圏から撤退することもあります。その時に人材の配置転換をスムーズにできるように、企業は社員に様々なスキルを学ばせるわけです。
面接官の立場からすれば、スペイン語が話せるというのは多少のプラス評価にはなりますが、注目しているのは、語学力ではなく、「留学先で何をしたか」です。おそらく、具体的なエピソードを聞いてくるでしょう。新卒採用において、語学力は十分条件ではあれど、必要条件ではないのです。 
もちろん、「スペイン語ができる人材」のみを対象とした求人がありますが、 ほぼ全てが中途採用です。新卒採用でそのような人材を採用することはほとんどありません。ビジネスの基本を知らない新卒の学生よりも、ビジネス経験豊富でスペイン語ができる人材を採用した方が合理的だからです。

ネガティブなことを話してしまいましたが、スペイン語が活かせる会社はたくさんあります。 総合商社やメーカー、プラント等色々です。総合商社であれば、中南米各国に支店や駐在員事務所があるので、スペイン語を使った仕事に就ける可能性が高くなります。メーカーへの就職の場合、撤退リスクもありますが、担当部署に配属になれば強みを活かせると思います。

さて、最後に「スペイン語圏の企業に就職」する場合についてです。このケースは、上記の就職活動とは全く異なります。求められるスペイン語力も異なります。1年ちょっとの留学ではほぼ不可能なので、現地の大学・大学院への正規留学を視野に入れて、長期的に戦略を練らねければなりません。
一番の課題は就労ビザです。ビザを取得するのは、想像以上にハードルが高いです。スペイン語圏で働いている多くの人が苦労した点です。社会人経験が全くない状態で就労ビザを取得しようとする場合、かなり難しいというのを頭に入れておいた方がいいです。
具体的な取得方法については、各国により異なるので省略しますが、スペイン語力の向上に努めてください。私もそうでしたが、死ぬ気で頑張れば夢は実現します!
頑張りましょう!


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